夏のパリ街歩きで必携の納涼アイテム
今週は6月下旬にして、最高気温が36度に達する見込みだといいます。
パリは涼しい日のほうが多いんだから、これくらいなら我慢してよね
とばかりに、パリのバスはクーラーを搭載していないようなんです。
ようやく来たバスに、日本のようなクーラー全開の移動型オアシスを期待して乗り込んだら、サウナだったときの絶望は、筆舌に尽くしがたいものがあります…。
ふつうにガマンできずに途中下車するレベル。
この移動型サウナを耐え抜いた者だけが、もうろうとする意識の中、目的地へと運ばれてゆく…。
先週はもう6月なのに肌寒いなぁ〜。
いつ暖かくなるのと思っていたらこの急展開。
そんな気温差が激しすぎる夏のパリ。
思いがけず熱波に襲われた場合に備えて、持っていると便利な日本ゆかりの納涼アイテムが、
扇子(せんす)
です。
例のバス車内でも、フランス人とおぼしきマダムが2名ほどコレをパタパタしてましたし、噴水の縁に腰掛けてゆったりと扇いでいるマダムも、車窓から目撃しました。
パリに根付く納涼アイテム
どうやら扇子は最近流行りだした日本趣味ってわけじゃなくて、さかのぼること17世紀にはすでに、上流階級の優雅なファッション小物として、パリを席巻していたアイテムのようです。
日本や中国の扇(おうぎ)は、大航海時代の16世紀頃ポルトガル船で西洋にもたらされ、レースなどをあしらった「洋扇」として、独自の発展を遂げました。
un éventail(扇子、洋扇)という単語が存在するのが、フランスに根付いている証拠。
パリ10区にはルヴェ・オグエ扇子美術館という、16世紀〜の扇子のみ2千点以上をコレクションしたマニアックな美術館もあります。
サングラス + 扇子
ヨーロッパの夏の日差しは強烈なので、サングラスはマストです。
加えてこのようにパリ文化にもなじみ深い扇子を持っていると、重宝するかと思います。
開いたり閉じたりできて、荷物にもなりません。
日本ではこう、グラサンで扇子を持っていたら怪しいし、浮くイメージがありますが、こちらではなぜか違和感がありません…!
文化の違いってやつでしょうか。
日本でおなじみのマスクがこちらでは浮く(深刻な病人と心配される)、みたいな感じ?
日本ではサングラスも扇子もどっちも使わなかったのですが(汗)、最近ではこの2点を欠かさず持ち歩いています。
扇子のマナー
扇子は使い方を間違えると、エレガントどころか残念なアイテムと化すので、少しだけ注意が必要です。
扇いで生じた風が周囲の人に不快感を与えないように、気をつけたいですね。
誤って扇子自体をぶつけてしまう恐れもあります。
あまりに暑いと、火消しのごとくバタバタと扇ぎたくなりますが、それも傍目には美しくありません。
周囲の人に扇子自体や風が当たらないように、顔の下から静かにあおぐといいようです。
日傘は日本独特
かつては、UVカット機能付きの晴雨兼用日傘が欠かせないアイテムでした。
が、日傘を差しているのは、こちらでは観光客くらいのもの。
そもそも小雨くらいなら、傘を差ない人がほとんどです。
(さすがに大雨ともなれば、往来に色とりどりの傘が咲きますが…)
他人にぶつかると傷つける恐れがあるので、遠慮するのだと聞きますが、東京と比べたら人口密度スッカスカでぶつかる確率も低そうなのに…?と思わないでもない。
日傘はUV対策としてはもちろん、若干涼しくなる効果もあるので、使いたいな〜〜
と思うことも多々ありますが、一応パリにお邪魔させてもらっている外国人の立場なのと、防犯上の理由から(観光客だと思われると狙われやすい)、郷に従って現地の装いに寄せています。
最先端ツールもアリ
ハンズフリー扇風機なるアイテムが、気になっています。
一見ヘッドフォンみたいでオサレだし、首元で自動的に送風してくれて、両手が空くので超ラクちん。
産毛や長いピアスの巻き込みには、気をつけないとですが…。
パリは景観には保守的な街ですが、意外に最先端ツールはウェルカムなところがあるので、扇ぐのが面倒な場合は、こういうのを引っさげて闊歩するのもアリかもですね。
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