お土産にも◎フランス生活で愛用している調味料 その③オリーブオイル 〜知っておいて損はない日仏スーパーでのオリーブオイルの選び方など〜
フランス生活で愛用している調味料紹介③、オリーブオイルです。
オイルとビネガーをまとめてご紹介しようと思っていたのですが、オリーブオイルだけでボリュームがおかしくなってしまったので、単体記事にしました。
大のオリーブオイル好きなのでそれなりにこだわりが強いですが、専門店でお高いのを買うばかりでなく、日常使いのものはごく普通のスーパーで選んでいます。
フランスはオリーブ生産国トップ2(スペイン、イタリア)に挟まれていることもあり、お手頃価格でも高品質なオリーブオイルが豊富に出回っているのがうれしい。
フランスのスーパーでの選び方に加えて、日本のスーパーに堂々と出回る怪しい「ニセモノ」に関する情報なども、あわせてお送りします。
これからの長いオリーブオイル人生(?)、知っておいて損はないかと思います★
良質なオイル or not
まずオリーブオイルに限らず、オイル全般に対する持論を。
粗悪なオイルは毒にもなりますが、良質なオイルは多大な美容・健康効果をもたらしてくれます。
「オイルは太る」
「オイルは身体に悪い」
というのは、粗悪なという大事な形容詞が抜けていると思うんですね。
質のいいオイルが持つ力についてスルーしてない??と。
なので
オイルは断じて節約すべきところじゃないと思うわけです。
下手なサプリや薬、化粧品より、良質なオイルに投資したほうが、効果的かもしれません。
エキストラバージンオリーブオイル一択
良質なオリーブオイルは、健康・美容効果が半端ないです。
オリーブオイルをデイリーに摂取する地中海食(Mediterranean diet)は、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されたり、地中海式ダイエットとして、米U.S. News誌で2019年のベストダイエットに選ばれたりしています。
主成分のオレイン酸には、病気や老化のもとになる活性酸素から身体を守る抗酸化作用、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞につながる悪玉コレステロールを減少させて中性脂肪の蓄積を抑える効果、便秘解消効果などがあります。
豊富に含まれるポリフェノールにも抗酸化作用、メラニンを抑制してシミを予防する美白効果などがあるほか、ビタミンEには美肌効果、ヘアケア効果も。
ただし、こうした効果が期待できるのは、良質なオリーブオイルに限っての話。
わたしの中でオリーブオイルは、風味も栄養素もダントツなエキストラバージンオリーブオイル一択です。
オリーブオイルの世界基準
オリーブオイルの世界基準は、国連関連機関である国際オリーブ協会(IOC)(International Olive Council)による9つの分類です。
最高級であるエキストラバージンオリーブオイルは、化学処理や熱処理を一切しない、オリーブ生搾り果汁みたいなもので、酸化度合いを示す酸度が0.8%以下でなくてはいけないなど(化学検査)のほか、専門のオリーブオイル鑑定士による五感を用いたチェックで風味に欠陥ナシ(官能検査)とされてはじめて、商品にそれと記載できるのです。
(後述しますが、IOC加盟国の場合。)
- エキストラバージンオリーブオイル(Extra virgin olive oil)
- バージンオリーブオイル(Virgin olive oil)
- オーディナリーバージンオリーブオイル(Ordinary virgin olive oil)
- ランパンテバージンオリーブオイル(Lampante Virgin Olive Oil)
- 精製オリーブオイル(Refined olive oil)
- (ピュア)オリーブオイル(Olive oil)
- 未精製オリーブポマスオイル(Crude olive pomace oil)
- 精製オリーブポマスオイル(Refined olive pomace oil)
- オリーブポマスオイル(Olive pomace oil)
ざっくり分けると、
- 1〜4. 一番搾り、バージンオリーブオイルのなかま(けど3〜4. は非食用)
- 5〜6. 精製・ブレンドしたやつ(スルーすべし。6. ピュアオリーブオイルは日本では一般的ですが、ちっともピュア・純粋なんかじゃありませんよ〜〜!)
- 7〜9. 搾りカスオイル(圏外)
です。
食へのこだわりがハンパないフランスでは、その辺のスーパーでもエキストラバージンでないオリーブオイルを探すほうが難しいくらいなのですが、念のため、Huile d’olive vierge extraと書かれてるか?チェックしています。
日本市場はニセモノだらけ
その前に、日本のちょっと衝撃的なオリーブオイル事情について書かせてください。
オリーブ生産量1位のスペイン、2位のイタリア含むヨーロッパ諸国の大半はIOC加盟国なので、Extra virgin, Vierge extraなどと書かれていれば、その通りに違いないのですが、日本は非加盟なので、オリーブオイルの区分は、あくまでも農林水産省によるJAS(日本農林規格)に基づきます。
で、これが大雑把ともっぱらの評判です。
食用オリーブ油=二種類。
「オリーブ油」or「精製オリーブ油」
以上。
(by JAS)
何を意味するかといえば、日本にはエキストラバージンオリーブオイルの正式な定義・法規定は存在しないということです。
エキストラバージンオリーブオイルを名乗るからには、自主的にIOC基準に則った良心的なメーカーばかりと信じたいですが、実態は勝手に自称してもお咎めなしなので、「日本市場はニセモノばかり」という不名誉な状態(!)。
(そもそもカナだとバージンとか、ヴァージンとかいろいろですしね。発音的にはエクストラヴァージンが妥当かと思いますが、一般的と思われるほうに寄せてます。。)
IOC基準をはるかに下回っていたとしても、各メーカー独自の不透明な基準で、エキストラだかエクストラだかのバージンオリーブオイルを自称している。
こんなん詐欺じゃないですか?
いえ、まったくの合法です。
日本では……。
日本製が「本物」か見分ける方法
個人的には、エキストラバージンオリーブオイルを名乗っていいのは、IOC基準をクリアしたものだけだと思うんですよね。
(ここまで読んでいただいた方なら、きっとそう思いますね?)
日本独自の基準でやりたいんならそれでも構わないけど、だったらエキストラバージン〜以外の名称にすべきでしょう。
「高級精製オリーブ油」とかさ。知らんけどw
それならニセモノなどと責められるいわれはないわけです。
あ、プレミアムエキストラバージン〜とかも、非常に怪しいですね。
IOC基準にてんで満たない低品質オイルでも、本家のExtra virgin olive oilかのようなミスリードなタイトルの商品が大半(合法 in Japan)だというのですから、消費者としては、商品名以外にも見分ける基準を持つことが必要です。。
あくまでも日本製に限って、IOCによる世界基準を満たした「本物」なのか、見分ける方法を考えてみます。
△バージンオリーブオイルの酸度
JASは「食べる用のオリーブ油は2種類しかねぇし」と言っているうえに、IOCのように「酸度」ではなく、「酸価」(オリーブ油2.0以下、精製オリーブ油0.60以下)を基準の一つにしているので、IOC基準のエキストラバージンオリーブオイル(酸度0.8%以下)に相当するか?は、
酸度(%)=酸価(mg)× 0.503
上記の式に当てはめて算出する必要があります。
(店頭で、電卓で計算してたらキモいかな?w)
厳密には、酸度が低いほど高品質オイルってわけでもないのですが(ややこしいので割愛しますが)、少なくともバージンオリーブオイルに相当するものなら、酸度が低いほど良質といえます。
エクストラ〜を掲げるなら、よもやバージンオリーブオイルですらないってことは、ないですよね??
一方、実態は酸価自体公表していない商品(ラベルはおろか、メーカーHPでも非公表)が大半なので、この方法はちょっと現実的じゃなさそうです。。爆
◎JOA認定マーク
世界基準と日本基準が違いすぎて、フェイクばかりな惨状への危機感からか、じつは2010年に日本オリーブ協会(JOA)が発足し、IOCに加盟しています。
国が主体ではないので、あくまでも法規定はJASですが。
でもそのおかけで、IOC規格の品質検査を受けられるようになり、JOA認定マークが付いていれば、それはIOC国際規格をクリアした証です。
このJOA認定マークありの日本製は、世界基準の本物といえます。
その他
あとはJOA認定マークの有無にかかわらず、専門的なイベントで推されているとか、権威あるコンクールで賞を獲っているとか、ラベルの原産地やオリーブの品種が詳しく記載されている、とかですかね。。
高ければいいというものでもないですが、あまりに安いものは避けたほうがいいでしょう。
フランスでは+遮光瓶、Bioでセレクト
フランスのスーパーで選ぶ際は、エキストラバージン(仏:Vierge extra)であることそのものを疑う必要はないので、
- オーガニック(Bio)
- コールドプレス(Extraite à froid, première pression à froidなど)
などに着目しています。
「Bio」とか「AB」マークが付いていれば、良質なオーガニック(有機栽培)製品の証。
コールドプレスは、27℃くらいの低温でじっくり圧搾する製法。
手間暇かかるけど、オリーブ本来の風味を保てるわけです。
なのでVierge extra, Bio, à froidなどと書かれていれば最強(最高値=最高品質)かな?
と思ったのですが、店頭ではBioはともかく、à froidと積極的にアピールしてなくても高いVierge extraがあったり、à froidなVierge extraでも安いのがあったりして、正直よく分かりません。。
ただ、安いのはペットボトルなどのプラスチック容器か、透明なガラス瓶に入ってたかな?
これは何か罠があるな、、と思い、手を出さなくて正解でした。
以下の理由から、遮光性&ガラス瓶であることは超重要っぽいので、黒っぽいガラス瓶に入ったものをセレクトしています。
光、熱、空気を避けて常温保管
デリケートなエキストラバージンオリーブオイルは、日光などの紫外線、コンロなどの熱、空気中の酸素に弱い性質があります。
光と空気で酸化・熱で劣化して、風味や栄養素が損なわれます。
なので黒っぽいガラス瓶なら、紫外線と酸素を防ぎやすいというわけです。
(プラスチック製の容器は酸素を通しやすい)
また10度以下になると固まってしまうので、冷蔵庫に入れるのはNG。
コンロ周辺を避けて暗所で常温保管するのがいいようなので、キッチンの木製扉付きの棚の中に保管しています。
愛用中のエキストラバージンオリーブオイル
さて、やっとこさ現在フランスで愛用しているエキストラバージンオリーブオイルのご紹介です。
CARAPELLI エキストラバージンオリーブオイル
老舗オリーブオイルメーカー、CARAPELLI(カラペリ)社のVierge extra, Bioで限りなく黒っぽいUVカットのガラス瓶のものになります。
バリエ豊富なので迷いましたが、比べてお高めのやつということで。
(それでも日本で買うよりは全然安いです)
普通にモノプリで買いました。
パスタ、サラダなど美味しく仕上がるので満足しています。
INFO
- フランス語名:CARAPELLI Huile d’olive vierge extra, non filtrée, Il Rustico, bio
- 容量 / 価格:50CL(500ml) / 7,29ユーロ ※購入当時
- 購入場所:モノプリ(MONOPRIX)
上記は日本では買えなさそうなので、代わりによさそうな商品をご紹介しておきます。↓
まとめ
以上、オリーブオイルに関するあれやこれでした。
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