【パリ13区】フレンチテックの息吹を感じるインスタ映え巨大フードコート。La Felicità(ラ・フェリシタ)

レストラン・ビストロ・ブラッスリー13区

「インスタ映え」なる単語には
すでに食傷気味かと思いますが、
まさしくそんなスポットが
13区にありましたので
ご紹介します。

一言でいうと
巨大なデザイナーズフードコート
という感じなのですが、
フードコート
などという表現が
ちょっとはばかられるくらい、
随所にこだわりを感じる
アートと遊び心にあふれた
オシャレな空間。

狭いパリにこんなに場所があったの?
と呆れるほど広大なスペースにも
圧倒されます。

電車がまるごと何本か入っています。電車といえば…

駅をリノベした巨大施設、スタシオンFの一部

奥行きがすごい。総面積約34,000㎡

じつは駅の跡地だそうで、
2017年にオープンした
世界最大級の
インキュベーション施設、
STATION F
(スタシオン・エフ)
の一角にあります。

迷い込んでしまったスタシオンFの内部
こっち側はフランス国内外から1,000社以上のスタートアップが入居するゾーン。
関係者以外は入れません。

Fとは、
1920年代に
前身となる貨物駅
La Halle Freyssinet
(ラ・アール・フレシネ)
を設計した
Eugène Freyssinet
(ウジュヌ・フレシネ)
というフランス人エンジニアに
由来するそう。

斬新な設計だったため、
駅として使われなくなってからも
歴史的建造物として
保存されていたものの
長らく廃墟同然と
化していたところを、
2013年に
Free
(フランスにネット価格革命
を起こした通信会社)
の創設者
Xavier Niel
(グザヴィエ・ニール)
氏が買い取り、
リノベーションして
この施設を創ったといいます。

施設内は、以下の
3つのゾーンに分かれています。

・SHARE ZONE
(イベントスペースなど)
・CREATE ZONE
(スタートアップオフィスなど)
・CHILL ZONE
(レストランなど)

このレストランにあたるゾーンが、
一般に開放されているわけです。

店員さんはやけに
イタリア系が多いと思ったら、
勢いのあるスタートアップ、
Big Mamma
(フランス人オーナーによる
イタリアンレストラングループ)が
すべて
プロデュースしているとのこと!

ロッテリアにリンガーハット、
築地銀だこ…
みたいにいろんなテナントが
集まっているわけではなく、
すべてが一つの企業による
趣向を変えたイタリアンレストラン
or カフェ or バー
だというから驚きです。

光り輝くボトルが美しいバー。カウンターのバンカーズランプも可愛い
大人数でも大丈夫そう

違和感の正体

お好みのお店で
食べ物やドリンクを買って、
適当な場所に陣取って
ゆっくりしていいので気楽…
なはずなのですが、
なぜか
そこはかとなく違和感が。

周囲にちらほらいるお客さんは、
リラックスしつつも
同僚とともに
仕事か一服しに来ている雰囲気で、
えっと…お隣の
インキュベーション関係の方々ですね?
というオーラの人も
少なくない。
(平日15時頃という微妙な
時間帯だっただけにとくに)

ノートPCに向かって
一心に何かを打ち込んでいる人は、
店員とも顔なじみのようで、
その辺のスターバックスで
PC開いただけでノマド気分♪
みたいな
なんちゃってノマドではなく、
フランスのテックシーンを
牽引している
といっても過言ではない
本格的なハイスペノマド(?)
っぽい。

そんな彼らの
真剣な表情をチラ見しつつ、
スマホをいじりながら
単にお茶してるだけの我々は、
ちょい場違いなんじゃないか…。
という気がしてくる。
(もちろん暇なアジア人が
お茶してようがなんだろうが、
自由だけど)

パリ中心地から離れている上に、
いわゆるパリっぽいところではないので、
観光客もあまりいなさそう。

気分は、なんていうか
巨大スタートアップの社員食堂に
お邪魔してしまっている感じ?

ミニライブステージの横にある入口の看板はスラングっぽいけど、期待を裏切らず(?)お手洗い。
2階は図書室っぽいスペース

平日夜とか週末には、
また違った表情を見せる場所
なのかもしれません。

意外にテクノロジーとも相性が良い国

フランス政府が、
大々的なスタートアップ支援策
「フレンチテック」
(La French Tech)
を始めたのは2013年。
スタシオンFのもととなった
駅舎が買い取られたのも同年。

わずか数年の間に、
フランスは起業大国として
存在感を示し始めています。

JETROレポートによれば
世界最大級の国際技術見本市
CES 2019で
米国に次ぐ376社もの
スタートアップを送り出したとか。
(日本は40社ほど。
数じゃないとはいえね…)

パッと出て瞬く間に普及し、
すっかりパリの風景の一部となった
シェアリングサービス、
ヴェリブ(自転車)や
ライム(電動キックボード)など、
やるとなったら一気にやって
形にしてしまうところがすごい。

規制や法律で旧い建物や文化を
ガチガチに守るなど
保守的なお国柄かと思いきや、
じつは
新しいものやテクノロジーとも
非常に相性が良いという、
不思議な魅力を持つ国です。

フランス版シリコンバレーの
拠点ともいえる
スタシオンF内にある
イケてるフードコート。

パリ旅行の際、
限られた時間の中で
わざわざこのためだけに、
というほどではない
かもしれませんが、
名所は大概行き尽くしたという強者や、
在住者には面白いスポットだと思います。

鉢植えや植木まで、緑あふれる空間

【La Felicità(ラ・フェリシタ)店舗情報】
住所:5 Parvis Alan Turing, 75013 Paris
公式HP:https://www.lafelicita.fr/

※最新の情報は公式HPなどでご確認ください。