夏の終わりが旬。見た目に反して絶品なフランスの果物レーヌクロード

スーパー・マルシェフランスで見つけた美味しいもの

マルシェには果物が豊富

フランスのマルシェには未知の果物や野菜が山ほど並んでいる。
旬のものは少しずつ入れ替わるし、種類が多すぎてすべてを知ることはできそうにない。

毎週のように通っているが、少しずつ詳しくなれるものだろうか?
とりあえず縁のあったものから覚えていくしかない。

見た目と味が一致しない緑色の実

先日お買い物を済ませた後、お店の人の好意で味見させてもらった果物が

「なにこれ美味しいッ……!!」

と想像に反して美味すぎて、すでにお店から数十メートル離れていたにもかかわらず、リターンして買いに走った。

それがこの、見た目ウメっぽくて硬そうな緑色の実。
小粒な青リンゴだと言われても信じただろう。

名をレーヌクロード(la Reine-Claude)という(レンヌ・クロードとも)。
レーヌとは王妃の意。なにやら大層なお名前である。

16世紀の国王フランソワ1世の王妃クロード(Claude de France)が好んだことに由来するようだ。
中年マダム…を思い描いて調べてみたら、なんと7人もの子を産み24歳で夭折したという。
はるか年下でんがな…。
慈悲深く、民から慕われた王妃だったとのこと。

 

この青い実は、よく熟した実は赤という先入観をガラガラと崩壊させる。

パッと見硬くて酸っぱそうなのに、柔らかくほろほろと崩れるジューシーな食感&豊潤な甘みに潜む酸味が絶妙。
どうにも見た目と一致しないので一瞬混乱する。

目をつぶって食べると、熟したプラムに似ている。
そのはず、プラムの仲間でプルーン(西洋すもも)の一種だそう。

日本では生食するすももをプラム、乾燥させたものをプルーンと呼ぶこともあるから、そういう意味ではプラムといえる。
赤紫のアレだが、この品種だけは熟しても緑色のまんまだという。

食べだすと止まらないのが難点。キロ買い必至。

お値段と味

近所のお店で1キロあたりのお値段をチェックしてみると、

  • 某マルシェ:8,80€
  • 某BIOスーパー1:7,40€
  • 某BIOスーパー2:6,49€
  • 某フランプリ:3,99€
  • 某モノプリ:3,49€
  • 某カルフール:2,39€

とずいぶん差があった。
同じお店でも時期によって価格は上下する。

この中では某マルシェのレーヌクロードがダントツに美味しかった。
困るのは、次点は某フランプリだったこと。
お値段に比例するというわけでもないらしい。

いろいろ買って食べ比べてみたけど、まったく別の果物かと思うほど熟してなかったり、逆に熟れすぎて弾力がなかったりとイマイチなものも…。

ちなみに某マルシェの8,80€/kgは相場と比べてかなり高いほう。
(追記:9月に入ってさらに10,80€に値上がり&8月のほうが美味しかった)

これくらい突き抜けたお値段なら美味しくて当然かもと思いきや、つぎにお高いBIOのものは草っぽい風味でイケてなかったりと、よく分からない。

表面にざらざらと白っぽい粉をまとっている弾力ありそうな実が美味しい

表面のパウダーがポイント?

マルシェの美味しいレーヌクロードは表面に少量の粉をまとっており、ちょっと砂っぽい。
これはブルーム(bloom、果粉)というもので、水分蒸発を防ぎ、病気などから身を守るため果物自体が作り出す分泌物だという。

この果粉で覆われていると、よく熟していて新鮮な証拠だとか。
たしかにBIOの酸っぱめレーヌクロードは、表面がツルッツルだった。

この粉が鮮度の目安になるとは知らなんだ。ブドウなどもそうらしい。

旬は7月下旬〜9月上旬

レーヌクロードは夏の終わりに出回るフルーツといわれる。
旬の時期は7月下旬から9月上旬まで。

一応まだ8月上旬で夏真っ盛り!

と言いたいところだが、道路には乾燥したマロニエの落ち葉が大量に散乱していたり、BHVのファッションコーナーがすでに秋冬モノで固められていたり…とすでに秋の気配もビシバシ感じる。

9月上旬まで、ギリギリあと一ヶ月ほどは楽しめそうだ。

冷やして朝食に食べるのが最高

フランス人は生食のほか、よくタルトやジャムにして食べるという。

けど火を通してしまうなんてもったいない。生のままで絶品だ。
冷蔵庫でよく冷やして、朝食に食べるのがマイベスト。

いま時期フランスに滞在する方は、果粉をまとっている美味しそう(?)なレーヌクロードを見かけたら、ぜひ買って賞味してみてほしい。