パリで希少な日本式イチゴショートを食べるならヤマザキかAkiで

ブランジュリー・パティスリー2区, ケーキ, フランスで見つけた美味しいもの, 1区, 7区, 16区

ショートケーキを渇望する日々

パリに来てガッカリしたことの一つが、

「イチゴのショートケーキがさっぱり売っとらんやないか」

ということです。

ふわふわのスポンジケーキに、生クリームがたっぷり乗ったイチゴショートが大好物なのに、普通のパティスリー(ケーキ屋)にはことごとく置いていない…。
最初はたまたまかと思いましたが、何軒回っても全滅。

本場はフランス!と勝手に思い込んでいましたが、実際は、アメリカのshortcakeから派生して、日本で独自の進化を遂げたケーキだったようです。
洋菓子の代表格ともいえるシンプルなイチゴショートが、日本独特のものだったとは…。

フランスでケーキといえば、タルト系がメイン。
タルトがそこまで好きじゃない私は、街中でパティスリーを見かけても、ときめかなくなってしまっていました。

Fraisier japonais(フレズィエ ジャポネ)

フランス語では一般的に、イチゴのケーキは、Gâteau aux fraises(ガトー オ フレーズ)といいます。

が、画像検索してみると、我々が思い描くイチゴショートとは、似ても似つかない代物も出回っており、まさにイチゴのケーキなら何でもあり状態なので、日本式のそれはFraisier japonais(フレズィエ ジャポネ)といって、Gâteau aux fraisesとは、区別されてしかるべきものでしょう。

Fraisier(イチゴの苗、フレズィエ)という、似たようなケーキ(断じてイチゴショートではナイ)がフランスにあるため、「日本の〜」を意味する形容詞japonaisを付けて、日本式イチゴショートというわけですね。

パリでイチゴショートを買えるお店3選

上記のように、Fraisier japonaisもしくはGâteau (aux) fraisesとして、イチゴショートを取り扱っているお店は、パリにもちゃんとあります。

現状、以下3軒の選択肢がありますので、行ってみた順にご紹介します。

【1&2区】Aki Boulanger or Aki Café(アキ)

初めてイチゴショートを発見したパン屋さん(Boulanger)。

オペラ付近の日本人街にあって、生クリームあんパン、焼きそばパン(!)など、昔懐かしいパンやスイーツがあります。

店内はいつも混み合っていますが(とくにBoulangerのほう)、ショートケーキが売り切れているのは、あまり見たことないです。
席数は多くないけど、店内イートインも可。

ちょっと離れた道にあるCaféのほうは、比較的空いていて穴場な感じ。
店内飲食スペースも広めです。

生クリームがちょっとバターっぽくて独特ですが、普通に美味しい。

商品名Gâteau Fraise(お持ち帰り4,50€、店内5,00€)
苦味の効いたエスプレッソとともに

【16区】Yamazaki Pâtisserie & Café(ヤマザキ)

日本のあのヤマザキが手掛けるケーキ屋さん。

コンビニやスーパーでおなじみの、パックで2個対になっているやつを想像して行くと、見事に裏切られます。

商品名はMatsuri (Fraisier Japonais)。
これまたパリではマイナーなアイスコーヒーとともに。
お持ち帰り5,00€、店内5,50€

生クリームのレベル高めです。
Akiほど主張せず、さらりと溶ける繊細な風味で、飽くまでも上品なクリーム。

食べながら、菓子パンのイメージがガラガラと崩壊して、戸惑ってしまいます。
これは、、本当にあのコンビニ菓子パンのヤマザキ??

お店のサイトを訪ねてみると、山崎製パン株式会社のリンクが貼ってあり、以下のようにあるので、たしかにあのヤマザキのようですね。

ヨーロッパでの展開
ヨーロッパ市場においては、1988年に「ヤマザキフランス」を設立し、ケーキの本場パリの高級ブティック通りにカフェ機能を持つ洋菓子店「パティスリー・ヤマザキ」を出店しました。

出典:山崎製パン株式会社 海外事業

意外と古くから(since 1988、、30年以上)存在しています。

長く勤めている店員さんが多く、ご高齢の常連さんもいるなど、老舗として16区に根付いている感じ。

同じく生クリーム系の、モンブラン(Mont-Blanc)も激うま☆
フォークを入れると、中に純白の生クリームがモリモリ入っています。

この日訪れたのは午後で、ショートケーキは売り切れていたので、確実に入手したいなら予約するか、午前中早めに駆けつけるのがいいでしょう。

代わりにおすすめされた抹茶バージョン(MAIKO)も◎

後述しますが、後日お誕生日会に予約オーダーしたホールケーキは、フランス人にも大人気でした。

フランスのパティスリーも作ればいいのに…。

食パンのサンドイッチなど軽食も

【7区】Mori Yoshida(モリヨシダ)

すっかりイチゴショートケーキづいてしまい、評判を聞きつけて、7区のお上品な界隈にあるケーキ屋さん「モリヨシダ」にも乗り込んできました。

こじんまりしているけれども、モダンで洗練された店内。
ショーケースには芸術品のようなケーキが並びます……が、例のアレが見当たらない。

午後一だったのですが、当然のように午前中で売り切れていたという。

ショートケーキはイチゴが美味しい季節のみの販売で、4月頃〜8月末までの期間限定らしいので、来年に持ち越し確定です。

来年春の楽しみができました。笑

ヤマザキのホールケーキがフランス人に大人気

先日開催したお誕生日パーティーで、ヤマザキのホールケーキ(イチゴショート)をフランス人数名に振る舞ったのですが、これが大好評でした。

食事後にそれとなくバースデーソングを促し、こちらを登場させると、一気に場が引き締まる(?)というか、一同おぉっ!となります。

ふあっふあの卵色スポンジケーキに、甘さ控えめの生クリームづくし。
散在するイチゴの酸味がアクセントになって、箸(フォーク)が止まらない。

ペロリと平らげて満足そうな面々を前に、逆輸入イチゴショートは、果てしないポテンシャルを秘めているのにな…と思ったのでした。

需要ありそうではあるけれど

今回お招きしたフランス人が、たまたま全員「生クリーム星人」だったのか?
フランス人には、あんなきめ細かいスポンジケーキは焼けないというのか?

アジアのケーキを逆輸入だなんて、プライド的に真っ平御免なのか??

いずれも、そんなことはないと思うのですが。

ヤマザキがパリにやって来て約30年。
いまのところイチゴショートは、日系パティスリーの専売特許状態のようです。

こんなにもシンプルで美味しいケーキが、あまり浸透していないのは、ちょっとさみしいです。

とりあえず、日本のイチゴショートを食べたくなる、ちょっと特別な日は、日系パティスリーに駆けつけたいと思います。

店舗情報:営業時間、定休日、住所、電話番号など

【アキブーランジェ(Aki Boulanger)店舗情報】

営業時間:月曜日〜土曜日7:30〜20:30
定休日:日曜日
住所:16 Rue Sainte-Anne, 75001 Paris
電話番号:+33 (0) 1 40 15 63 38
公式HP:http://www.akiboulanger.fr/

【アキカフェ(Aki Café)店舗情報】

営業時間:月曜日〜土曜日8:30〜20:30
定休日:日曜日
住所:75 Rue Sainte-Anne, 75002 Paris
電話番号:+33 (0) 1 40 41 95 27
公式HP:https://www.facebook.com/akicafeparis

【パティスリーヤマザキ(Yamazaki Pâtisserie & Café)店舗情報】

営業時間:月曜日〜日曜日8:00〜19:00(8月中は月曜日〜土曜日8:00〜19:00)
定休日:なし(8月中は日曜日定休)
住所:6 Chaussée de la Muette, 75016 Paris
電話番号:+33 (0) 1 40 50 19 19
公式HP:https://www.yamazaki.fr

【モリヨシダ(Mori Yoshida)店舗情報】

営業時間:水曜日〜日曜日10:00〜19:15
定休日:月曜日、火曜日
住所:65 Avenue de Breteuil, 75007 Paris
電話番号:+33 (0) 1 47 34 29 74

※購入当時の情報です。最新情報は公式HPなどでご確認ください。